Storybook を活用した UI カタログ整備と開発効率の向上

Storybook を活用した UI カタログ整備と開発効率の向上
2024/09/10に公開

背景と課題

自社で開発しSaasサービスを展開している企業様からのご依頼になります。サービスをリリースしてから4年ほど経過し、コードが複雑に、また人員の入れ替えが行われる中で徐々に保守性の低下に懸念されていました。

またこれまでの開発フローでは、デザイナーと開発者の間でコンポーネントの仕様認識にズレが生じることがありました。その結果、以下のような課題が発生していました。

  • UI の実装後にデザイナーから修正依頼が発生し、開発工数が増加
  • 仕様の不明確さにより、開発者ごとに異なるコンポーネントが作成される
  • UI の再利用が困難で、同じようなコンポーネントが乱立
  • E2E テストのみでは UI の崩れを検知しにくい

これらの課題を解決するために、Storybook を導入し、UI カタログを整備しました。

Storybook 導入による支援内容

1. UI カタログの作成

Storybook を導入し、すべての UI コンポーネントを一元管理することで、以下の改善を実現しました。

  • デザイナーと開発者が共通の UI コンポーネントを確認可能に
  • 仕様のズレを事前に防止し、開発コストを削減
  • Storybook に登録されたコンポーネントを再利用することで、統一感のある UI を実現

Image from Gyazo

引用元:https://storybook.js.org/

2. コンポーネントの自動テスト導入

開発効率を向上させるために、Storybook のテスト機能も活用しました。

  • スナップショットテストの導入(Jest + Storybook)
    • コンポーネントの UI 変更が意図したものかどうかを検証
  • インタラクションテストの追加(Testing Library + Storybook)
    • ボタンのクリックやフォーム入力時の挙動を事前に確認
  • Visual Regression Test の適用(Playwright + Storybook)
    • UI の崩れを自動検知し、リグレッションの防止

3. デザイナー・開発者間のコラボレーション強化

Storybook を活用することで、デザイナーと開発者間のコミュニケーションがスムーズになりました。

  • 仕様変更が発生した場合でも、Storybook 上で即座に確認・修正が可能
  • デザイナーが Storybook を確認することで、完成イメージと実装のギャップを事前に解消
  • PR 作成時に Storybook のプレビューリンクを添付し、レビュー効率を向上

導入後の成果

Storybook の導入によって、以下のような成果が得られました。

  • リリース後の修正依頼が 40% 減少
  • 開発スピードが 25% 向上(仕様確認や UI の再利用が容易になったため)
  • コンポーネントの再利用率が 60% 増加(新規 UI の開発工数を削減)
  • デザイナーと開発者のコミュニケーションミスが激減

まとめ

Storybook を活用することで、UI カタログの整備・自動テスト導入・デザイナーとのコラボレーション強化が実現し、開発効率が大幅に向上しました。特に、UI の一元管理による開発コスト削減と、リグレッション防止による品質向上が大きな成果となりました。

今後は、さらに Storybook のアドオン機能を活用し、アクセシビリティチェックやドキュメントの自動生成なども視野に入れ、より包括的な UI 開発環境の構築を目指していきます。

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