Sentryを使った監視でユーザー影響の最小化

Sentryを使った監視でユーザー影響の最小化
2024/07/12に公開

はじめに

Webサービスの運用において、ユーザーに安定した体験を提供するためには、システムの状態を常に監視し、異常が発生した際に迅速に対応できる環境を整えることが重要です。今回は、Sentryを活用した外形監視の導入について紹介します。

導入前の課題

Sentryを導入する前は、以下のような課題がありました。

  • エラー発生時の検知が遅れ、ユーザー影響が大きくなっていた
  • ログの分散管理により、障害発生時の調査が困難だった
  • 開発チームごとにエラー対応のフローが異なり、対応の属人化が発生していた

これらの課題を解決するために、Sentryを導入し、エラーログの集約とリアルタイム監視を実現しました。

支援内容

弊社では、Sentryを活用して以下のような外形監視の仕組みを導入しました。

  1. 監視対象の選定
    まず、監視が必要なシステムや機能を選定しました。具体的には、以下のポイントを考慮しました。
  • 重要なユーザーフロー(ログイン、決済処理、フォーム送信など)
  • APIの正常稼働状況
  • 外部連携システムの応答速度
  1. Sentryの導入と設定
    選定した監視対象に対し、Sentryを用いたエラーログの取得・通知設定を行いました。
  • フロントエンド(React)およびバックエンド(Express.js)のエラーログをSentryに送信
  • APIエラーやパフォーマンス低下をキャッチするための設定
  • Slackを活用したリアルタイム通知の導入
  1. アラートの最適化
    異常が発生した際、適切な対応が取れるようにアラートの最適化を行いました。
  • 重大度ごとのアラート分類(クリティカルエラー / 警告)
  • アラートのノイズ削減(特定のエラー頻度に応じた通知ルール設定)
  • 再発防止のためのレポート作成
  1. 運用と改善
    Sentryのダッシュボードを活用し、定期的にエラーの傾向分析を行いました。
  • 発生頻度の高いエラーを特定し、優先的に修正(例:特定のAPIのタイムアウトエラーが頻発し、レスポンス改善を実施)
  • エラーログの分類と自動対応の検討(特定のエラーに対して、自動リトライ機能を導入)
  • システムの拡張に伴う監視対象の見直し

Sentryを活用するメリット

  1. リアルタイムでの障害検知
    Sentryを導入することで、発生したエラーをリアルタイムで検知し、即座に通知を受け取ることができます。これにより、問題発生から対応までの時間を大幅に短縮できます。

  2. 詳細なエラーログの収集と分析
    エラー発生時にスタックトレースやリクエスト情報を記録できるため、原因特定が容易になり、トラブルシューティングの効率が向上します。

  3. ユーザー影響の最小化
    例えば、決済システムでAPIのエラー発生時にSentryの通知を受け、即座に対策を講じた結果、ユーザーの決済エラー件数を50%削減できました。このように、異常を早期に発見し対応することで、ユーザーへの影響を最小限に抑えることが可能です。

  4. 開発チームの負担軽減
    エラーを一元管理できるため、開発者が個々の環境でログを確認する必要がなくなり、調査工数を削減できます。また、アラートの最適化により、不必要な通知を減らし、対応の負担を軽減しました。

スケジュール・支援期間

  • 1ヶ月目: 監視対象の選定、Sentryの導入と設定
  • 2〜3ヶ月目: アラートの最適化、ダッシュボード整備
  • 4ヶ月目以降: 定期的な運用・改善、監視対象の見直し

Sentryを活用した外形監視を導入することで、障害発生時の迅速な対応が可能となり、ユーザーに安定したサービスを提供できるようになりました。

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